2023-05-30
父が亡くなったあとすぐに母も亡くなってしまったら、2人分の遺産分割協議をおこなう必要があります。
このように、相続が2回以上重なって発生している状態を数次相続といい、通常の相続とは手続き方法が異なるため注意が必要です。
今回は数次相続について、代襲相続との違いや注意点、手続き方法などを解説します。
新潟県長岡市を中心に新潟県全域で不動産を相続予定の方は、ぜひ参考になさってください。
\お気軽にご相談ください!/
はじめに、数次相続の仕組みついて解説します。
数次相続と間違われやすい「代襲相続」と「相次相続」についても解説するので、あわせて確認しておきましょう。
数次相続とは、相続の手続きを終える前に被相続人が亡くなり、さらに相続が発生することをいいます。
あまり聞きなれない単語かもしれませんが、数次相続は珍しいことではありません。
よくある例としては、年齢の近い夫婦が立て続けに死亡するケースが挙げられます。
たとえば、父の遺産分割協議を進めている間に、母も亡くなってしまったとしましょう。
このような場合、子どもは父親だけでなく、母親の財産に対する遺産分割協議もおこなわなければなりません。
このように、相続が2回以上重なって発生している状態を「数次相続」といいます。
数次相続は、通常の相続手続きに比べて煩雑なため、あらかじめ注意点などを理解しておくことが大切です。
代襲相続は、被相続人が亡くなったときに、本来相続するはずの相続人がすでに死亡していた場合に発生します。
たとえば、父が祖父より先に亡くなり、数十年後に祖父も死亡して、相続が発生したとしましょう。
代襲相続が適用されれば、本来は父親が相続するはずの祖父の遺産を、子ども(祖父から見ると孫)が取得することになります。
このように、本来相続する方に代わって、下の世代(子や孫)に相続権が移ることを代襲相続といいます。
数次相続と間違われやすいものに「相次相続」があります。
相次相続とは、短期間のうちに連続して相続が発生している状態のことをいいます。
たとえば、父が亡くなり相続手続きも終えたあと、数年が経過してから母が亡くなるケースなどです。
相次相続が発生した場合は、要件を満たすことで「相似相続控除」を適用できる可能性があります。
この制度の目的は、短期間で相続が発生した際に、相続税の負担が過重になるのを軽減することです。
相次相続控除を適用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
数次相続においても、上記の要件を満たす場合は、相次相続控除を適用することが可能です。
▼この記事も読まれています
不動産相続時の税金の種類とは?計算方法や節税対策もご紹介!
\お気軽にご相談ください!/
数次相続が発生したら、以下の点に注意しましょう。
相続税の申告と納税義務は、2度目の相続における相続人に引き継がれます。
たとえば、父が亡くなり、兄弟で遺産を相続することになったとしましょう。
相続手続き中に長男も死亡した場合、父の遺産に対する相続税の申告や納税は、長男の妻と子どもがおこなうことになります。
相続税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税しなければなりません。
しかし、相続税を納める方が申告前に死亡した場合は、その方の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告すれば良いとされています。
先ほどのケースでいうと、長男の妻と子どもの申告期限は「長男が亡くなってから10か月以内」です。
一方で次男の場合は、父が亡くなってから10か月以内に相続税を申告・納税しなければなりません。
相続税には基礎控除が設けられており、基礎控除額を超えなければ非課税となります。
基礎控除額は法定相続人の数によって異なり、以下の計算式で求めることができます。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
数次相続の場合、基礎控除額は最初の相続が発生した時点で計算されます。
そのため、数次相続だからといって控除額が増えることはなく、相続税の負担額も変わりません。
数次相続で相続人となった方にも、相続放棄が認められています。
相続放棄とは、はじめから相続人でなかったものとして、相続を放棄することです。
相続では、不動産や貯金といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金などマイナスの財産も引き継ぎます。
マイナスの財産が多いと、相続人にとって大きな負担となるため、相続人には相続を放棄する権利が与えられています。
しかし、最初の相続のみを承認して、2回目の相続を放棄することはできません。
たとえば、祖父が亡くなってすぐ父が亡くなった場合、子どもには祖父と父の財産を相続する権利があります。
この場合、祖父の相続を放棄して、父の財産のみを相続することは可能です。
反対に、父の相続を放棄して、祖父の財産だけを取得することはできないためご注意ください。
▼この記事も読まれています
不動産相続時の税金の種類とは?計算方法や節税対策もご紹介!
\お気軽にご相談ください!/
最後に、不動産を相続する際に、数次相続が発生した場合の手続き方法を解説します。
相続が発生したら、まず1回目と2回目以降に発生した相続における相続人を確定します。
はじめに相続人を確定させておかないと、遺産分割協議がやり直しになる可能性があるためです。
遺産分割協議は相続人全員の同意がないと成立せず、誰かが欠けた状態でおこなわれた協議は無効となります。
はじめから協議をやり直すとなると、手間と時間がかかるため、相続人は最初で確定させておきましょう。
相続人が不明確な場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を辿ることで確認できます。
遺産分割協議をして意見がまとまったら、遺産分割協議書を作成しましょう。
数次相続においては、協議書を1つにまとめる方法と、別々に作成する方法の2パターンがあります。
どちらが良いかは状況によって異なりますが、まとめて作成すると混乱を招く可能性があります。
たとえば、父親が死亡して相続が発生し、続いて母親の死亡で二次相続が生じたとしましょう。
父親に前妻の子がいると、相続人や被相続人の肩書きで混乱する可能性があります。
混乱を避けるためにも、遺産分割協議書は別々で作成することをおすすめします。
不動産を相続したら、名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」が必要です。
流れとしては、最初の相続について相続登記をしたあとに、2回目以降の相続登記をおこないます。
ただし、以下のような場合は、中間省略登記により手続きを1回で済ませることができます。
なお、相続登記は現在任意の手続きですが、令和6年4月1日から義務化されることが決まっています。
正当な理由なく登記をしないでいると、過料の対象となるためご注意ください。
▼この記事も読まれています
不動産相続時の税金の種類とは?計算方法や節税対策もご紹介!
相続手続きを終える前に相続人が死亡して、新たな相続が発生することを数次相続といいます。
数次相続は、通常の相続とは手続き方法が異なるため、事前に流れを把握しておくことが大切です。
不動産を相続した際は相続登記も必要なため、なるべく早めに手続きを済ませるようにしましょう。
長岡市の不動産売却なら「新潟県不動産査定の窓口」へ。
買取や査定もおこなっており、新潟県内全域で対応が可能です。
専門知識を持ったスタッフが対応させていただきますので、安心してお問い合わせください。